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パーキンソン病

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パーキンソン病

概要

「パーキンソン病」とは、脳の異常により身体の動きが緩慢になってしまう病気です。日常生活では、運動の障害による困難さが目立ち、中には精神に支障をきたすケースもあります。
好発年齢は50〜65歳とされ、高齢になるほど発病する確率が高くなっていくのが特徴です(※1)。一方、若い世代でもパーキンソン病になるケースもあり、「若年性パーキンソン病」と呼ばれます。
※1 出典:厚生労働省資料「6 パーキンソン病」

原因

パーキンソン病は、脳の異常によるものが原因ですが、とくに脳の中でも中脳という部位にある「黒質(こくしつ)」と深い関連があります。中脳とは、大脳の下方に位置する部位で、「黒質」と呼ばれる場所があり、黒質はメラニン色素が含まれています。画像でみた際に黒く映ることが黒質という名称の由来となっています。 黒質は人間の運動を調整する物質がつくられており、それが「ドーパミン」という物質です。中脳の黒質にある神経細胞でドーパミンは産生され、脳の様々な部位と連携し、運動を調節する役割を持っています。パーキンソン病の特徴は、ドーパミンを産生する神経細胞の減少で、ドーパミンの量が低下してしまいます。ドーパミンの量が不足すると、運動調節がスムーズに行えなくなり、動作が重く、滑らかさを欠き、ぎこちない動きになってしまいます。上記がパーキンソン病の原因ですが、ドーパミンを産生する神経細胞が何故減少してしまうのか、現在ではわかっていません。遺伝によるもの、あるいは環境による影響があるのではないかといった調査がされていますが、根本となる原因の解明には至っていません。

症状〔前兆〕

パーキンソン病の4大症状として、以下のものがあります。

振戦(しんせん)
「振戦」とは「ふるえ」を指します。とくにパーキンソン病では、安静時の振戦が特徴です。例を挙げると、静かに座っているときに手足、あご等が小刻みに震えます。
動作緩慢(無動・寡動)
「動作緩慢」は、動作が全体的に遅くなってしまう状態です。立ち座りのとき、動きが重く、緩慢になります。動作が極端に鈍くなってしまう「無動(むどう)」や、一つひとつの動作が小さくなってしまう「寡動(かどう)」が典型な症状として挙げられます。これに加えて、歩行中の一歩が小さくなっていまい、足裏で地べたを擦りながら歩くような小刻み歩行もみられます。
姿勢反射障害
「姿勢反射障害」は、姿勢の変化に対して身体がうまく対応できず、バランスが悪くなってしまう症状です。方向転換したり、急に立ち止まるなどの動作の切り替えがうまくできなくなります。そのため転倒のリスクが高くなります。
筋固縮(きんこしゅく)
上記4つの症状に関連しているのが「筋固縮」です。筋肉が固くこわばってしまうパーキンソン病では関節を動かそうとしても、強い抵抗がかかって動かすことが困難です。

また、運動以外の症状にも注意が必要です。症状として、以下のような項目が挙げられます。

1.睡眠障害(不眠、過眠)
2.精神症状(抑うつ、認知機能の低下、意欲の低下、幻覚、妄想など)
3.自立神経障害(便秘、頻尿、起立性低血圧、発汗の調節障害)

パーキンソン病では、これらの症状がすべて出現するわけではなく、部分的に症状が出たり、程度にも個人差がみられます。

リハビリ

パーキンソン病になると、転倒しやすくなるため、動くことが億劫になってしまいます。そのため、筋力低下の予防や、日常生活の改善などを目的とした日々のリハビリが重要となります。